「まさか、あんな顔をするなんて…」誰もがそう呟いた。舞台の上で、ピアノの前で、完璧な笑顔を振りまく生田絵梨花。そのイメージを覆すような、感情を爆発させる彼女が、今、新たなステージに立っている。人気絶頂のアイドルグループ、乃木坂46を卒業して3年半。彼女は今、一人の表現者として、迷いながらも力強く歩みを進めている。まるで、眠っていた感情の扉を開けたかのように。

今回のドラマで生田絵梨花が演じるのは、喜怒哀楽を隠さない、等身大の高校教師だ。これまで、どこかミステリアスで、感情を表に出さない役柄が多かった彼女にとって、これは大きな挑戦だった。「最初は戸惑いました。でも、演じているうちに、不思議としっくりくるんです。スタッフの方々からは『こっちの方が素に近いんじゃない?』って言われるくらい」と、生田は笑う。
実は、生田絵梨花の中にも、人知れず感情を爆発させる瞬間があった。
「理想を目指して頑張っても、どうしても『無理!』ってなるときがあるんです。そんな時は、帰りの車の中でマネージャーさんに2、3時間くらい、自分の感情をバーッと吐き出すんです。」
アイドル時代は、常にグループの一員として、周囲との協調性を重んじてきた。しかし、ソロになってからは、「自分はどうしたいのか」と問われる場面が増えた。「最初は、一人でやらなきゃいけないんだ…って心細かった」と、当時の心境を語る。

しかし、彼女はそこで立ち止まらなかった。「一人で何かを作るのではなく、向き合った先には、ファンのみなさんや、現場のチームの方々がいる」と気づき、恐れずに自分の思いを伝えられるようになったのだ。「何かを実現するためにどうしたらいいのか、周りに相談できるようになったのも、大きな変化でした」と、彼女は振り返る。
この夏は、ドラマの撮影と並行して、全国ツアーも行われた。
俳優、音楽活動、それぞれの分野で得た経験が、彼女の中で化学反応を起こしている。「大変さはありますし、器用だとは全く思っていません。でも、色々な仕事に取り組んでいるからこそ、得た経験が重なる瞬間があるんです」
そんな多忙な日々の中で、彼女は常に自問自答を繰り返している。「人生の岐路に立った時、何を大切にするか」。少し前までは、自分の直感を信じていたという生田だが、今は違う。
「これまで関わった人たちの顔が浮かぶんです。どうしたらその人たちに悲しい思いをさせないか、どうすれば自分の誠意が相手に伝わるか、ということを考えるようになりました」と、彼女は語る。それは、13年間、周囲の人々に支えられてきた感謝の気持ちの表れだ。

30代を目前に控え、生田絵梨花は新たな決意を胸に抱いている。「表現を通して、葛藤したり悩んだりする自分の感情にも、蓋をしないでいたい。それこそが、生きていく上で大切なことだと思うんです」
「私自身も、自分の内面を見ないふりをしていた時期があったかもしれません。無意識のうちに感情を麻痺させてしまっていた部分があったんです。でも、今回、人間らしさを全面に出す役作りを通して、自分の本音によく耳を傾けるようになりました」と、彼女は続ける。
そして、最後にこう語った。「私が表現することによって、それを見てくださる人たちが、少しでも前向きに変化できるきっかけを作れたら嬉しいです。
そして、私自身も、色々な分野で学んだり経験したりしたことを踏まえて、生活面でも、身近に接する人たちに対しても、より豊かに生きていきたいと思っています」

感情を爆発させること。それは、弱さではなく、強さの証だ。生田絵梨花は、自分の感情に正直に向き合うことで、さらに輝きを増している。彼女の挑戦は、私たちに勇気を与えてくれる。「自分の感情に蓋をしない」。それは、より豊かに生きるための、第一歩なのかもしれない。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
次のページ