あの…去年、横浜流星さん主演、藤井道人監督による映画『正体』で、安藤沙耶香役を演じた吉岡里帆さんの言葉が、今もなお鮮やかに蘇ります。逃亡する死刑囚・鏑木の無罪を信じ抜く女性を演じた吉岡さんは、この作品で何を学び、何を感じたのでしょうか?
『正体』は、染井為人さんの同名小説を原作としたサスペンスエンターテイメント。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)。彼は脱獄し、身分を偽りながら逃亡を続けます。その逃亡先で出会う人々…沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)。そして、鏑木を追う刑事・又貫(山田孝之)。

沙耶香は、オンラインニュースの編集者として働く中で、フリーライターの那須(実は鏑木)と出会い、共に生活を送るようになります。那須の正体に気づきながらも、信じようとする沙耶香。
彼女は、「他者を信じる」という本作の重要なテーマを体現する、物語の屋台骨を担う人物です。
吉岡さんは、以前から藤井監督の作品に魅力を感じていたそうです。特に、『新聞記者』を観た時の衝撃は忘れられず、「いつかご一緒したかった」と、今回のオファーを二つ返事で快諾したと言います。台本を読み込み、自らアイデアを提案するなど、撮影前から並々ならぬ意欲を見せていたというエピソードからも、作品への情熱が伝わってきますね。

「藤井監督の作品は、登場人物が抱えている苦しみや葛藤をわかりやすく言葉にしないところに凄く魅力を感じていました。言葉にはしないけれどその人の痛みがにじみ出ていて、そこに必ず一筋の希望を見出していくのが人間を肯定している感じがして、藤井さんって優しい方なんだろうなと思っていました」と、吉岡さんは藤井監督の魅力を語ります。
実際に現場で演出を受けた際も、「優しいし細やかなところで凄く気遣いしてくれて、こういう人だから人の痛みや葛藤を優しく繊細に描けるんだなと感じました」と、監督の人柄に感銘を受けたそうです。

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