能登半島地震から数ヶ月。瓦礫と悲しみに暮れていた能登の地に、再び希望の光が灯った。石川県七尾市の能登演劇堂で5日、震災後初の舞台公演となる、吉岡里帆さんと蓮佛美沙子さんダブル主演の演劇「まつとおね」がついに開幕したのだ。

能登の“復活”を象徴するかのように、能登演劇堂もまた、地震による被害から見事に蘇った。舞台装置や客席は修復され、舞台最大の特徴である、後方にある観音開きの大扉も、以前と変わらぬ姿を取り戻した。
舞台「まつとおね」は、平和への祈りをテーマに、前田利家の妻「まつ」と豊臣秀吉の妻「おね」が、戦乱の世を手を取り合いながら生き抜く姿を描いた物語だ。吉岡里帆さんと蓮佛美沙子さんは、それぞれ「まつ」と「おね」を演じ、観客を戦国の世へと誘う。
初日には舞台挨拶が行われ、吉岡里帆さんと蓮佛美沙子さんに加え、語り部を務めた加藤登紀子さんが登壇し、作品への熱い想いを語った。
吉岡里帆さんは、能登の地への特別な想いを、次のように語った。

「この自然をも美しいものとしてもう一度取り込んでいく。そういうこの劇場のやさしさ、懐の広さみたいなのを私は演じながら感じます」
この言葉には、能登の自然の美しさと、能登演劇堂の持つ温かさ、そして、演劇を通して能登の復興を後押ししたいという、吉岡里帆さんの強い決意が込められている。
蓮佛美沙子さんも「皆さんにとって何か温かいものが残る時間になれたらと心から祈っています」と語り、観客に温かいメッセージを送った。
公演後、観客からは感動の声が続々と寄せられた。
「心が…胸がいっぱいで涙が出そうでした」
「女性のしなやかさとか、強さとか、格好良さがすごく盛り込まれてたなと思って、また機会があったら来たいと思う」

これらの言葉は、「まつとおね」が単なる演劇作品ではなく、人々の心に深く響く、希望の光となっていることを示している。
吉岡里帆さんは、これまで数々のドラマや映画に出演し、その演技力が高く評価されてきた。しかし、今回の「まつとおね」では、舞台という限られた空間の中で、彼女の新たな魅力が引き出されている。
繊細な感情表現、力強い台詞回し、そして、観客を魅了する存在感。吉岡里帆さんは、「まつ」という役を通して、女優として新たな境地を開拓していると言えるだろう。

能登半島地震復興祈念公演「まつとおね」は、七尾市の能登演劇堂で23日まで上演される。能登の地に、希望の光を灯し続けるであろう「まつとおね」。そして、その中心で輝き続ける吉岡里帆さんの姿から、今後も目が離せない。
今回の舞台は、吉岡里帆さんにとっても、女優としてのキャリアをさらに飛躍させる、重要なターニングポイントとなるだろう。
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