1980年代末から1990年代初頭にかけて、日本は経済の熱狂に沸き立つ一方で、夜の街には別の鼓動が鳴り響いていた。高速道路を駆ける轟音、路地裏をすり抜ける改造バイク、そして仲間と語らう若者たちの姿——それが“暴走族”という存在だった。
今では彼らも家庭を持ち、社会人としての日々を送っている。しかし、かつてのあの夜、あのスピード、あの叫びは、今でも一部の写真にしっかりと焼きついている。今回は、そんな「時代の鼓動」を伝える10枚の写真を紹介しよう。
①【Z400FX、夜に佇む】
サービスエリアに停まる一台のKawasaki Z400FX。リアには手作りの三角旗、車体にはミーティング帰りの埃がうっすら残る。傍らにしゃがむ少年は、セブンスターに火をつけ、遠くを見つめる。「誰かを待っていたわけじゃない。戻らない時間を見送っていただけなんだ。」

②【旗が揺れる、あの夜】
真夏の夜、列をなして爆走する暴走族たち。後部座席に掲げられた“族旗”が風を切る。ブレた写真だからこそ、あの熱量が伝わってくる。「聞こえる気がする、改造マフラーの爆音が」と語る人も。

③【昭和の少年たち】
電柱の根元に座り込む数人の少年たち。おそろいの特攻服には「天下布武」の刺繍。アニメじゃない、リアルな“義理と人情”がここにある。「暴走は社会への反抗じゃない。自分を証明したかっただけ」そんな心の声が聞こえてくるようだ。

④【秘密基地:改造工房】
CBX400Fのパーツが床に散らばり、オイルまみれの少年がBEET製マフラーの取り付け方を得意げに語っている。
仲間と夢を語り、手を動かし、夜を待つ——それが、彼らにとっての青春の形だった。

⑤【別れの夜】
夜の交差点。彼を見送る少女が、そっとヘルメットを差し出す。RZ350にまたがった彼は、出発前に彼女の頭を軽く撫でて笑った。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
次のページ