日曜劇場「御上先生」。松坂桃李演じる主人公を取り巻く個性豊かなキャラクターたちの中で、ひときわ存在感を放つのが、吉岡里帆演じる副担任の存在だ。初回視聴率が「VIVANT」を超える12.2%を記録し、話題を独占するこのドラマにおいて、彼女の繊細かつ奥行きのある演技は、物語に深みと彩りを与えている。テレビ業界では、囁かれるようにこんな言葉が広まり始めている。「名作には、必ず吉岡里帆がいる」。

「どんぎつね」からの脱皮、そして世界へ
吉岡里帆。彼女の名を知らしめたのは、やはり「どん兵衛」のCMだろう。5年間演じた「どんぎつね」は、その″あざと可愛い″キャラクターで、国民的な人気を博した。しかし、彼女の挑戦は、そこで終わらなかった。ディズニープラスの「ガンニバル」シリーズ、Netflixの「忍びの家 House of Ninjas」、そして、今後配信予定の「イクサガミ」。
世界を舞台にした配信ドラマへの出演は、彼女の演技力を世界に認めさせるきっかけとなった。かつての「どんぎつね」のイメージを覆す、シリアスでハードな役柄を演じきる彼女の姿は、新たなファン層を開拓している。

下積み時代、そして「あさが来た」
華やかな活躍の裏には、長い下積み時代があった。大学時代に演技に目覚め、小劇団の公演やエキストラ出演を重ねながら、東京の養成所に通った。しかし、オーディションを受けては落ちる日々が続いた。「悔しさをバネに、諦めずに努力を続けた」と、吉岡は当時を振り返る。転機が訪れたのは、2015年放送開始のNHK朝ドラ「あさが来た」。ヒロインの娘の親友役を演じたことで、一躍注目を集めることになった。この作品が、彼女のキャリアを大きく飛躍させるきっかけとなったのは間違いない。

「脱・主演」という選択:作品への真摯な姿勢
主演ドラマも経験したものの、なかなか作品に恵まれなかった時期もあった。2018年には「きみが心に棲みついた」(TBS系)、「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系)と主演ドラマが続いたが、視聴率的には苦戦を強いられた。しかし、この経験を無駄にはしなかった。むしろ、彼女はそれを糧に、新たな道へと舵を切った。「ゴールデン帯の作品で主演を務める器ではない、と痛感して″脱・主演”に舵を切った」という関係者の証言があるように、その後、彼女は、深夜帯やBS、テレ東の単発作品への出演を積極的に行った。
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