東京都郊外、昭和の終わりに建てられた四階建ての古い団地。その三階でひとり暮らす私は、山口数(かず)、今年で74歳になる。エレベーターなど当然なく、階段の上り下りは日ごとに辛さを増している。年金は十数万円、家賃や光熱費を支払えば手元に残る小遣いはわずか。冠婚葬祭の月には赤字になることも珍しくない。それでも、ここが私の家だ。
朝5時半、私は決まって窓を開けて団地に冷たい空気を取り込む。小さなキッチンで、冷凍ご飯と味噌汁の簡素な朝食を済ませる。その間にも、団地の風景は変わり続ける。子供の声は消え、昼間の静寂が席巻した。向かいに住む石田さん(76)は、まだ元気でスーパーに朝から夕方まで働きに出る。
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次のページ引用元:https://www.youtube.com/watch?v=_UzDLvyUz5c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]