「お父さん、また血圧高かったの?病院の先生、何か言ってた?」
仕事から帰宅したばかりの美咲(みさき)は、テーブルに置かれた健康診断の結果に目を落とした。
そこには「血栓リスクあり」「要経過観察」との文字。
彼女の父・一郎(いちろう)は65歳。健康そのものと思っていたが、沈黙の病「血栓」が着実に迫っていたのだった。
「薬も飲んでるし、大丈夫だよ」と笑って言う父。
しかし、美咲は思った。「このまま何もしないなんて、絶対イヤだ」
薬膳を学んでいた美咲は決意する。“食べ物の力”でお父さんの体を守るんだと。
血栓の正体のひとつ「フィブリン」。このたんぱく質を分解する酵素ブロメラインが豊富に含まれるのがパイナップル。
「デザート感覚で食べやすいし、お父さんにもぴったり」と美咲。
夕食後に出すフレッシュパイナップル100gは、自然な甘みと爽やかな酸味で父の疲れを癒す。
薬膳的にも、パイナップルは「消食・活血(かっけつ)」の働きがあり、消化促進と血流改善をサポートする。

「今日は朝から冷たいトマトジュースにしてみたよ」
美咲が毎朝用意するのは、無塩トマトジュースとレモン汁を加えた特製ドリンク。
トマトに含まれるリコピンは抗酸化作用が高く、動脈硬化の予防と血流改善に効果があるとされる。
さらに薬膳ではトマトは「清熱生津(せいねつせいしん)」の性質を持ち、体内の熱を冷まし、潤いを補う。
「暑がりな父にちょうどいいわ」と美咲は思った。

おやつに出した一握りのくるみ(約30g)。父は「ナッツもいいんだな」と意外そうな顔をした。
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