「この雲、どの季節のものか分かりますか?」
そう問いかけたのは、天気の授業で定評のある“エスラボ”の講師・らはし先生だった。彼の前に映し出されたのは、上空から撮影された衛星画像。春、夏、梅雨、そして冬——それぞれの季節特有の雲が画面いっぱいに広がっていた。

「これを見て、すぐに季節を当てられるようになりましょう。そして、さらに上級編として、天気図からも見分けられるようになってください」
その言葉に、生徒たちの表情が引き締まる。なぜなら、この単元は中学受験・高校受験の頻出ポイント。だが、多くの生徒が苦手とする分野でもあった。
らはし先生は続ける。
「天気は西から東に変わります。これは“偏西風”という上空の風の影響です。雲も風に乗って一日約1000キロ、つまり経線1本分ほど東に移動します。これを知っておくだけで、画像の時系列問題に強くなれますよ」
季節の雲も、それぞれに特徴がある。
梅雨は、東西に長く伸びる“帯状の雲”が特徴だ。これが“梅雨前線”で、南の小笠原気団と北のオホーツク海気団がぶつかることで生じる。
「この雲が北上しながら雨をもたらし、夏になると消えていく。それが“梅雨明け”のサインです」
冬はどうか?冬の雲は、“筋状”に日本海から列島を覆っていく。その正体は、冷たい北西の季節風が温かい海の上を吹き抜けることで生じる“筋雲”だ。日本海側に雪を降らせ、太平洋側には乾燥した晴天をもたらす。
「このときの天気図を見ると、“西高東低”という典型的な気圧配置が見られます。大陸に高気圧、オホーツク海に低気圧。等圧線が縦に並んでいるのが特徴ですね」
真夏はどうか。南の太平洋上にある小笠原高気圧が日本を覆い、全国的に晴れが続く。ただし、北海道は例外的に天気が崩れることもある。
「そして、ところどころに現れる白くてもくもくした“積乱雲”——これが夏のもう一つの特徴です。雷雨やゲリラ豪雨の原因になる、いわば空の怪獣です」
春や秋は見分けが難しい。なぜなら、天気が頻繁に変わるからだ。
高気圧と低気圧が交互に日本を通過し、晴れと雨が目まぐるしく入れ替わる。
「これを“移動性高気圧”と言います。天気図では、高気圧と低気圧が交互に並んでいる様子が見られます。台風が映っていても、それが日本の南にあるだけでは季節の決め手にはなりません。注意してください」

最後に先生はこうまとめた。
「季節の天気を見分ける鍵は三つ。雲の形、気圧配置、そして高気圧の位置です。例えば、晴れていても高気圧の中心が日本の真上なら春や秋、日本の南なら夏。こういう“視点”を持って画像や天気図を読むと、一気に理解が深まります」
生徒たちは、ただの雲の画像だったものが、まるで季節を語る地図のように見えてきた。天気の見方一つで、世界が変わる——そんな気持ちになった瞬間だった。
この知識があれば、受験問題も怖くない。いや、それどころか、日々の空がもっと面白く見えてくるはずだ。
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