今日は、あの“浮力”について、一気にわかるように説明します
そう言って先生が取り出したのは、二つのおもりと、透明なメスシリンダー。授業というより、まるで科学マジックのように、話は進んでいった。
「君たち、お風呂に入ると体が軽くなった感じ、しないか? あれ、実は“浮力”が働いているからなんだ」
その瞬間、教室が静まり返った。身近な体験が物理につながる瞬間。聞き慣れた「浮く」という現象の裏に、科学が隠れていると知った時の驚きは、大人になっても忘れられない。
アルキメデスの原理――それは「物体を液体に沈めたとき、その押しのけた液体の重さだけ軽くなる」という法則。
「例えば、四十グラムの重りを水に沈めたとしよう。体積は二十五立方センチ。水に沈めた途端、重りの“見かけの重さ”は十五グラムになる。なぜなら、二十五立方センチ分の水=二十五グラムが押しのけられ、浮力として働くからだ」

つまり、水に沈んだ体積分の“水の重さ”だけ、軽くなる。
これを公式にするならこうだ:
浮力(g)=沈めた体積(cm³)× 液体の密度(g/cm³)
そして、重さの合計は変わらない。上が軽くなれば、台ばかりがその分“重くなる”。重さは、消えない。内部で移動しているだけ。
Q1:60cm³の体積を持つ100gの物体を水に沈めた。水中での見かけの重さは?→ 答え:100g − 60g(浮力)=40g
Q2:同じ物体を半分だけ水に沈めたら?→ 答え:60cm³ ÷ 2 = 30gの浮力 → 100 − 30 = 70g
「海で体が浮きやすいのは、塩分で密度が高くなるからなんだ」
例えば、食塩水では1cm³あたり1.2g。つまり、同じ60cm³を沈めたとすると:
浮力 = 60 × 1.2 = 72g100g − 72g = 28g
水よりも、さらに軽くなるというわけだ。
ここでひとつの疑問。
Q:8gで体積27cm³の木片を水に浮かべたら、何cm³沈む?→ 答え:8cm³だけ沈む
なぜなら、沈んだ体積の水の重さ(=浮力)が、木片の重さとつり合っているから。浮いている=浮力と重力がバランスしている状態。
浮いている木片を手でグッと沈めたら、下の台ばかりの目盛りはどうなるか?
答え:浮いていた部分の体積分だけ重くなる
つまり、さっきの木片なら、19cm³が浮いていた。それを沈めると、台ばかりに19g分の重みが加わる。
「浮いてる部分を沈めるには、それ相応の力が必要なんだよ。だって、水はそれだけ“押し返す”力を持ってるんだから」

浮力の本質は、とてもシンプル。
沈んだ体積だけ軽くなる
でもその分、重さは下に移る
合計の重さは、変わらない
液体の密度が高ければ、浮力も大きくなる
浮いているものは、重さと沈んだ体積の“水の重さ”が等しい
「浮力がわかれば、世界の見え方が変わる。水に沈んだ石も、風呂に浮かぶ体も、宇宙の無重力体験も、すべて“力のバランス”でできているんだよ」
倉橋先生の言葉に、私は深くうなずいた。物理は、知れば知るほど、やさしい。そして、世界は驚きで満ちている。
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